バケバケ




「お前…本当にそう思っているのか?」


ステ神は炎を見つめたまま言った。


「うん。」


「そうか、…ならば……」


ステ神が懐から小刀を取り出した。


「望み通り消えるがいい!」


「!」


ステ神が私に小刀を突き立てる。


「……と言いたいところだが、止めておこう。」


ステ神は小刀をしまった。


「お前はシイが守った命だ。シイの気持ちを無駄には出来ん。」


「……」


「お前も少しはシイの気持ちを考えるがいい。……シイが助けた命を捨てるようなことを言うな。…二度とな。」


「……ごめんなさい…。」






私の両手の中にある炎は小さくなっていた。


このまま消えてしまうのだろうか。


涙で視界が滲む。


涙が落ちて炎が揺れる。


手を握って火を消そうとしても私は炎に触れない。


人間だから…







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