バケバケ
「元はバケバケだったが、人間だった者の血だ。」
「…それって。」
「………俺の血を…使ってくれ。…」
私の後ろに燕さんがいた。
その後ろに千秋と灰音、エレジーもいる。
「……俺なら……条件を満たしている。……」
「ありがとう、燕さん!」
よかった、これでシイは助かる。
「……ステ神様…その小刀で俺を…。」
燕さんはステ神に腕を差し出した。
「……うむ。…たしかに燕なら条件を満たしている。…だが…」
「まだ何かあるの?」
「……足りないのだ。」
ステ神は俯いた。
「足りないって…?」
「…一人分の血では足りないのだ。二人分いる。」
「……なら……俺から二人分の血を…」
「ダメだ!………違う種類の血でなくてはならない。」
もう一人元バケバケの人間を探さなくちゃいけないってこと?
今から…?
こうしている間にもシイは消えてしまうかもしれないのに?