バケバケ
そんなの無理だよ…
探してる間にシイが消えちゃう…
「泣くな、洋子。」
「……灰音。」
灰音は私の腕を引き、外の世界に向かって歩き出した。
「どこいくの…?」
「探しに行くに決まってんだろ、元バケバケの人間。」
「でも…」
「行動しなきゃ始まらないだろ。」
「……。」
「少しでも可能性があるなら探しに行けばいい。」
「灰音…」
そうだ。
まだシイが消えると決まった訳じゃない。
探すんだ。
ギリギリまで。
私はシイにまた会わなきゃいけない。
「僕たちも行くよ。」
千秋が私たちの後ろに続いた。
「………俺も。」
その後ろに燕さんも続く。
「人数は多い方がいいでしょう?」
エレジーが灰音の隣に並んだ。
「みんな…ありがとう!」
私たちは歩き出した。
シイを助けるために。