バケバケ
「ハイネ!!なにデレデレしてるのよぅ!!」
エレジーが灰音の耳を引っ張る。
「お母さん…どうしてここに?」
「それはこっちが聞きたいわ。夜中に外出して…」
「ごめんなさい…でも今それどころじゃないの。」
「わかってるわよ。」
お母さんは今は鉛筆になったシイを見た。
「この姿のシイくんを見るのは久しぶりね。」
「え…?」
それってどういう…
「一人分なら血はあるのね?」
お母さんが訊いた。
「うん。」
「じゃあ今すぐそれを用意して。」
そしてお母さんはステ神の方に歩み寄った。
「神様じゃない。また小さくなったんじゃないの?」
「恵子か。お前が洋子の母親だったとはな。」
どうやら二人は知り合いのようだ。
お母さん…一体何者?
「神様小刀持ってたでしょ?貸してくれる。」
「あぁ。」
ステ神が母に小刀を差し出す。
母はそれを受けとると、自分の手首に傷をつけた。