バケバケ
私はそれを鉛筆に垂らす。
一滴…また一滴。
血が黒い炎の中に消えていく。
「炎が……」
炎は水を掛けられたように勢いを失い、消えていった。
そして……
鉛筆が光りだす。
光が止んだとき、私の目の前にはシイの姿があった。
「………シイ…」
シイはうっすらと目を開けた。
シイの目が私を捉える。
「……洋子…?」
「シイ!」
また…会えた…
今私の目の前にいるのはシイだ。
間違いなく、シイだ。
「………洋子…俺…」
シイは私を抱き寄せた。
力が強くて、少し痛かった。
「夢じゃないんだ……」