バケバケ
「俺も…」
シイは目をそらしたまま言った。
「俺も洋子が好き。」
泣きたくなった。
大声で、子供みたいに。
シイの胸に顔を埋めた。
「…泣き虫。」
シイが私の頭を撫でる。
「泣いてないもん…。」
何やらさっきから視線を感じる。
私はそっと視線の来る方向を見てみた。
「!」
みんなが私とシイを見ていた。
灰音、エレジー、千秋、燕さん、ステ神、それにお母さん…
「どうぞ、続けて。」
灰音がニヤニヤしながら私に言う。
「!」
私はあわててシイから離れた。
「なーんだ、止めちゃうの?」
灰音が笑う。
みんなも笑っていた。
終わったんだ。
またみんなで笑っていられる。
こうして、私たちの短いようで長い戦いは幕を閉じた。