バケバケ
こいつとはもう関わりたくないな。
「ボクはもう神社に帰る。」
時雨に背を向ける。
力を使いすぎた。
早く神社に帰ってボクは寝る。
「それは残念です。僕は神様ともう少し話をしていたかったんですけどね。」
「ボクはもうお前とは話したくない。」
振り返ることもせず、そう言ってやった。
だから時雨の表情は見えない。
だが、笑っているような気がした。
ボクは歩いて神社に戻ることにした。
空から帰るほどの力が残されていなかったからだ。
たまには悪くない。
歩くというものも。
背後から時雨の足音が聞こえる。
だんだん小さくなっていく。
彼はボクとは反対方向に歩き出したみたいだ。
災厄の足音…
それはやがて聞こえなくなった。
だが、すぐにまた聞こえてくるのだろう。
彼は春には動き出す。