バケバケ
今、訪れている平穏。
やがて訪れる災厄。
何も知らない若い者たち。
傍観者、ボク。
歯車は再び動き出した。
嫌な音を立てながら。
歪に回りながら。
ボクは見届けよう。
これから起こる、災厄を。
日が昇った。
明るい空。
世界はこうも何事もなかったかのように振る舞うのか。
時はこうして流れていくのか。
傍観者でありながら、願ってしまう。
どうか、あの若者たちに幸あらんことを。
空を見上げる。
あぁ、いい天気だ。
今日は雨は降らないだろう。
ボクはまた、平凡な日々に戻るとしよう。
再び災厄の足音が鳴り響く、その時が来るまで。
―終―