バケバケ
「シイ!」
背後から大きな声がした。
この声は…
「洋子…!」
なんで洋子がここに!?
学校は…?
「シイ!わかったよ、金髪の男は…」
―バタン!!
「誰だ!!」
しまった!男に気づかれた!
「お前…昨日のメガネ!!また来たのか!」
男が俺を睨みつける。
とっさに男と距離をとる。
「シイ…ごめん!!」
「いいよ。どのみちこうなるはずだったんだ。」
「あのね…あの男、たぶんギターのバケバケだよ。香澄ちゃんバンド組んでて、いつも金色の装飾がしてあるギター持ち歩いてたんだって!」
やっぱりギターか。
「洋子、ありがとう。危ないからちょっと離れてて。」
「うん。」
男から目を離さず、洋子の足音を聞き、離れたのを確認した。
「お前、名前は?」
男は一瞬驚いたような顔をして、
「黄金(こがね)。」
と言った。