バケバケ
「そっか…。黄金、香澄さんを解放する気ないか?」
「しつけーな。」
「お前の能力、もうわかったんだよ。」
「だからなんだよ。」
「諦めろ。お前の能力じゃ俺の能力と相性が悪い。」
「そんなの…やってみなきゃわかんねーよ!!!」
黄金が両手を大きく広げる。
…来る!
耳を澄ませ。
絶対音がするはずだ…
「…聞こえた!」
後ろに身体を反らす。
髪の先が切られて、パラパラと舞うのが見える。
俺の勘は正しかった。
黄金の見えない攻撃の正体…
ギターの弦だ。
弦がバケバケの能力で細く鋭くなってるんだ。
昨日会った時、あいつは去り際に手を大きく振った。
あれは張り巡らした弦を回収してたんだろう。
宙を浮いてたのも細い弦の上に乗っていただけ…!
「抵抗するなら…俺も能力を使う!」