バケバケ
畳の小さな部屋では黒い服を着た人たちが祖父との思い出話をしていた。
きっと誰から配らないといけないとかあるんだろうけど、分からないから1番近い人からお茶を配った。
約半分配り終えたところであるものが目にとまった。
祖父の写真。
黒い額に入れられ、こちらに笑顔を見せる祖父。
「いい写真でしょ、私が選んだのよ。」
振り返ると祖母が座っていた。
目元が少し腫れていた。
「覚えてるかな、洋子がもっと小さい頃、みんなで旅行に行った時のを使ったの。」
「うん」
「いい笑顔。惚れ直しちゃうわ。」
そう言って笑う祖母にのどのあたりが熱くなった。
祖母だってつらいんだ。
私がしっかりしなくちゃ。