猫殿さまのお嫁さん
*殿と御対面
AM6:30
毎朝キレ気味の母がウチを起こす。
なぜか、ウチを起こし終わると機嫌をガラッと変える。
AM6:40
朝ご飯を食べる。ねぼけてるので味はわからない。でもここ数年メニューが変わっていない。
AM7:10
歯磨き、着替えを終え家を出る。
「いってきます」
ウチの1日はここから
はじまる。
ありきたりの1日。
あーあ…
なんか変わったこと
ないかな…
駅で仲良しの友達数人と
会う。
「おー…」
毎日会ってるから
挨拶も超地味なんですけど。
「夢羽、歴史調べたあ?」
「あ、まだ」
「だよねー…」
沈黙。
最初はこの沈黙が嫌で
とにかくしゃべり倒してた
けどもう慣れた。
ぽつぽつしゃべりながら
学校に到着。
学校につけば
「昨日のレッドシアターさあ…」
とか
「ニノってさあ…」
とか。
一番耳が痛くなるのは
「って…」
人の噂。
テレビもジャニーズも
しょせんは雲の上のはなし。
人の噂だってするだけ。
しょせん、遠い話って
みんな思ってる。
先生は
「点数下がるぞ」の
脅しばっか。
親は
「成績悪かったら即退学ね」
ばっか。
こんなウチは
山志野夢羽(やましろゆは)
愚痴の多い高一。
特徴もとくにないし。
あーああーあ…
こんな現実から
逃れて自由に生きたいよ。
早く世の中に出るくらい
成長したい。
恋だってしたいよッ
ケータイ小説や漫画みたいな恋したいよ…