猫殿さまのお嫁さん




「ウチは…別に理介のことなんて好きじゃないから!妻なんて絶対ならないっ」




理介はびっくりしたが



すぐに



優しくウチの頭を撫でた。



「もうよい。わかった…婚儀は遅らそう。そなたがその気になったらでよい」




「ウチは現代へ帰りたいのっ!」



すると理介は力強い声で



いった。



「そなたは選ばれし娘…俺は気が強いお前が好きだ」



フッと何気なく笑う理介に


少しドキッとしたけど



騙されるな!と



首をふった。




そんなこんなで





真夜中の逃亡



はあえなく失敗した。




理介は



「逃げてももう帰れぬぞ」


とだけいって




先にお城に入っていった。



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