猫殿さまのお嫁さん


あの男が近づいてきた。



「…あなたが理介の…」



「…あ、あなたは?」



「はじめまして。俺は隣国“鳥のくに”の殿鷹の介…」


「今日は来ていただいてありがとうございます」


「夢羽に気休く呼び掛けるな…」


低い理介の声がした。



「ふん…理介、夢羽どのお幸せに」



意味深な笑顔で


去っていった。



< 72 / 125 >

この作品をシェア

pagetop