君と僕の約束
――智美side――


キーンコーンカーンコーン

朝のチャイムがなる。



あたしは屋上で泣いてた。
なぜだろう。
涙が止まらない。

しばらくしたら屋上の扉が
開く音がした。


先生かな?

でもそんなのは
どうでもいい。

ただ期待したのはあの人。


和『ハァハァ//智美ちゃん?』

やっぱり。期待通り。
なぜか今は二宮くんに会いたかった。

でも何で二宮くんが来てくれたの?
今は授業中。
走ってきたのか、
息が切れている。

でも来てくれたのが
二宮くんで本当に良かった。

きつく言ったことを
謝りたいから?
好きだから?

自分でもわかんないけど
今は嬉しかった。

和『後悔してんでしょ?』


後悔?あたし後悔してんの?


和『全部話してみなよ…』


その一言で抑えてた涙が
また溢れだした。


智『あたし。ずっと山下くんが
好きだった。
大好きで大好きで。
でも遊び人で。それは知ってた。
ただの噂だって…
自分にはそう言い聞かせた。
だけど遊び人なのは事実で…
心もこの恋を
応援してくれないだろうし…
だからふった。
でもこれでいいんだ…いいんだぁ』

あたしは泣きながら
二宮くんに話した。


二宮くんは黙って全部
聞いてくれた。

そのあと抱きしめてくれた。

あたしは二宮くんが
好きな訳じゃない。
けど温かくなって
すごく安心できた。


和『俺じゃ…だめ?』

二宮くんの予想外の一言に
頭がパニクった。


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