リセット～彼女が死んで彼女が現れる～

（解りきったことなのにな…。
綾香がいないだけで、こんなに違うものなのか…？）
俺は箸を持って、ゆっくり手を合わせる。
「いただきます…。」
俺は準備されていた弁当を一口くちへん運んだ。
そんな俺を見ながら、安心したように母さんはため息をつく。
「良かった…。タケル…。」
少し涙ぐむ母さんを見て、俺の心は痛む。
（俺…、母さんに心配かけてたのか…？）
「タケル、お茶いるか？」
「窓香さん…。うん、ちょうだい。」
窓香さんは、俺の前にお茶を置く。