リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「父さん…?」
俺の後ろに立っていたのは父さんだった。
父さんは口元に人差し指を立てて、俺に手招きする。
(父さん?)
父さんの口が微かに開き、また俺を呼ぶ。
(こっちに来いってことか…?)
俺は静かに寝室を後にした。


「やっぱり窓香ちゃんも相当無理してたんだろうな…。」
「無理って?」
俺と父さんは出雲家のリビングに座る。
「…健、さっきの母さん達の会話は聞かなかったことにしてくれ。」
「どうして…?」
「健…、お前も窓香ちゃんがどんな人かは知ってるだろ?」
「え…?」
父さんの言葉に、俺は考えた。
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