リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
『……。』
窓香さんは何も言わず、下を向いていた。
『今度綾香ちゃん達連れてこい。
社長が子供好きなの知ってるだろ?
綾香ちゃん達見たら、きっと社長は喜ぶぞ。』
『はい、そうですね…。今度娘達連れてお邪魔しますと、社長に伝えてください。』
窓香さんに、ようやく笑顔が戻っていた。
『解った。俺は今営業中だから、もう行くな。』
『はい。失礼します。』
窓香さんは一礼をして、俺達を連れてその場を去った。

まだ小さかった俺には窓香さん達の会話の意味が分からず、そのことはすぐに忘れていた。
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