リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
『窓香。せっかく来たんだから、座ってお茶でも飲まないか?
いろいろ話したいこともあるしな…。』
社長は立ち上がり、近くのソファーを指差した。
『アヤちゃんとも、いーっぱいお話しないとな。』
そう言って社長は綾香を頭の上まで抱きかかえた。
綾香も嬉しそうにキャッキャッと笑う。
『さあ、タケルくんもおいで。
おじちゃんとお話しようか?』
綾香を抱っこした社長は、俺に手を出してきた。
『……。』
俺は窓香さんの顔を見上げる。
窓香さんは、軽く頭を縦に振る。
まるで“大丈夫だ”と言っているようだった。
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