リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
『うん、いーーっぱいいたっ!』
俺は両手を大きく広げて見せた。
『いーーっぱいっ!』
俺の真似をして、綾香も両手を広げる。
『そんなにいっぱいいたか?』
俺達を見て、社長は楽しそうに笑った。
『えっとね…。』
俺は両手の指を一本一本曲げながら数えた。
だけど途中で数えられなくなって、必死に考えて俺は両手を社長に突き出した。
『こんだけいっぱいいたっ!』
『こんだけいたっ!』
綾香も真似して両手を突き出す。
『そうか?そんなにいたか?』
社長は大きな手で俺と綾香の頭を撫でた。
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