リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
父さんは少し淋しそうに、懐かしそうに笑った。
「……。マリー…?」
俺はハムスターのケージを見ると、マリーはケージから俺達のほうを見ていた。
「…どうした?マリー…。腹でも空いたか…?」
俺がケージの前に座ると、マリーは俺を見て鼻をヒクヒクさせた。
「…ひまわりの種食べるか?一個だけだぞ…?」
俺は隣に置いた種を入れたタッパーを手に取る。
「マリアはいるか?」
俺の声にマリアは綿を詰め込んだ巣箱の中からゆっくり首を出して眠たそうに巣箱に顎を乗せる。
「欲しいみたいだな…。」
顔を出したマリアを見て、俺は思わず小さく笑う。
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