リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「ほら、マリー。」
種を一個摘まんで、マリーのケージを開けて手を入れる。
種を摘んだ俺の手から、マリーは小さな両手で受け取って器用に歯を使って殻を破って食べる。
それを見た俺はマリーのケージを閉めてマリアのケージを開ける。
「マリアも食べるか?」
マリアの鼻先まで種を持って行くと、クンクンと匂いを嗅いで加えて顔を引っ込めた。
「また寝るのか?マリアは…。」
また小さく笑って俺はマリアのケージを閉める。
「……。」
後ろを振り向くと、父さんはジッと俺を見ていた。
「父さん?」
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