リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「今は見守っていてやってくれ…。」
「東くん…。」
小山のつらそうな顔に見送られて、俺は学校を後にした。

学校を出てすぐ近くの小学校から子供達が走って行く。
(小学校もう終わったのか…?)
「あやちゃーんっ!」
(…!?綾香っ!?)
俺は思わず顔を上げた。
「あやちゃん待ってよー。」
「みきちゃん早くー!」
『あやちゃん』と呼ばれたちぃと同じくらいの年の子供が俺の目の前を走り抜けて行った。
(あ……。俺なにを期待してるんだ…。
綾香のわけがないのに……。)
俺は小さくため息をついて、駅の方へ歩き出す。
< 142 / 159 >

この作品をシェア

pagetop