リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
笑顔で見る店員の視線の先にいる楽しそうにハムスター用のオモチャを眺める綾香を見て、俺は言いにくくなっていた。
『いえ…、幼なじみ…です…。』
『あら…?失礼しました。』
『タケルちゃんっ!』
後ろからパタパタと綾香が走ってくる。
『これ見て!』
綾香が手に持った小さなボールを俺の前に出して横に小さく振った。
チリンチリンと小さな音を立てる。
『鈴でも入ってるのか?
なんかマリーが喜びそうだな。』
『だよね!マリーちゃん喜びそう…っ。』
『…。』
嬉しそうに何度も鈴を鳴らす綾香の手から俺はボールを取った。
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