リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「思い出してくれたのね!?王子様ぁ~っ!!」
「うわぁっ!?」
急に抱きつかれ、俺は勢いよく後ろに倒れる。
「嬉しいぃ~。」
女の子は嬉しそうに顔を赤くする。
「そんなことより早く離れて…っ!」
俺は慌てて女の子の肩を押して女の子を離す。
「え~っ?どうしてぇ~?」
女の子は不満そうに頬を膨らませる。
「どうしてって…。」
(よく知りもしない子に抱きつかれて平気なわけないだろ……。)
俺は思わず頭を抱える。
「あのさ…、君……。」
「ニコちゃん…。」
「え…?」
小さく呟く声に、俺は思わず顔を上げる。
< 153 / 159 >

この作品をシェア

pagetop