リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
 「そうね…。あの子が信用していた人だもの…。
 きっと綾香は東くんの心の中で生きていられるわ…。」


 教室でそんな会話をされていたとは知らず、俺はずっとついてきては一人でしゃべっている二葉に疲れていた。
 (もうすぐ家に着くな…。このまま家までついてこられても迷惑だな…。)
 俺は小さくため息をついて二葉をチラッと見た。
 「あのさ二葉…。」
 「なぁに~?」
 「悪いけど俺今からお世話になってる人の家に行くんだ。
 だから、ここから帰ってくれるか?」
 「お世話になってる人?
 じゃあ、ご迷惑…?」
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