リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
 「…姿がないだけで、綾香ちゃんのことを忘れるヤツじゃないよ。あいつは…。」
 「え…?」
 安藤の一言に小山は顔を上げた。
 「どんだけ言い寄られても、他の女の子に心移すことはしない。」
 「そうね…。東くんは綾香を一番大事に想ってたもの…。
 綾香が東くんの心から消えることはないわね…。」
 「ただ、問題は二葉さんが綾香ちゃんの存在を知らないってことだな…。」
 「そうね…。あの子が綾香の存在を知っても諦めそうにない気がするのを除けば……。」
小山は大きく肩の力を落しながら溜め息をついた。
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