リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「タ…タケルちゃ…っ。
パパ、怖い…っ。」
「大丈夫だって、英樹さんは綾香に怒ってるんじゃないから…。」
俺は綾香に掴まれた逆の右手で、綾香の頭を撫でた。
(とりあえず、英樹さんには怒り沈めてもらわないと…。)
普段の英樹さんは静かな人だが、一度怒ると手が付けられなくなる…。

(ここは素直に謝っとくか…。)
「綾香?」
腕にしがみついてたはずの綾香は俺の前に来て、しがみつく。
俺にしがみついたまま、綾香は震えていた。
(相当、怖がってるな…。)
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