リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「すみません、英樹さん。
ほら、綾香。飯食うぞ。」
俺にしがみついたままの綾香の頭を“ポンポン”と軽く2回叩く。
「うん……、タケルちゃん…。」
「ん?」
綾香は俺にしがみついたまま、顔だけ上げて俺を見た。
「…もう、瀬戸くんとケンカしない?」
涙目のまま綾香は俺に聞く。
「ああ。ケンカしないから、安心して食べろ。」
俺はまた、綾香の頭を軽く叩く。
「うん…っ!!」
綾香は嬉しそうに笑う。
安心した綾香は自分の席に座り、朝食を再開する。
「…相変わらず、お前にビッタリだな。綾香ちゃん。」
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