リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
俺は思わず慌てて手を離す。
「アヤちゃんイコ~♪」
ちぃは綾香の手を取り、泳ぎに行く。
「あ…、ちぃちゃん待って~…っ。」
綾香は引っ張られて、転びそうになりながら後をついていく。
「ちぃ、『アヤちゃん』じゃなくて『綾香お姉ちゃん』だろ。
それよりプールサイドを走るな!!転ぶぞ!!」
俺は呆れて頭を掻きながら、近くにあった椅子に座る。
「たくっ。なんでちぃはあんな我が儘になったんだ…?」
(やっぱり父さんと母さんがいないからか…?
俺一人じゃ淋しいのか…?)
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