リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「あの…、大丈夫ですか?お客さん?
どこか怪我は…?」
「すいません、大丈夫ですよ。
どこもなんとも無いです。
お騒がせしました。」
俺は監視員に頭を下げる。
「そうですか?
次から気をつけてくださいね。」
「はい、すみません…。」
俺はもう一度頭を下げる。
「皆さんもお騒がせしました…。」
俺は周りの人達にも一礼をする。
「…?」
体にちぃとは違う微かな温もりと重みを背中に感じて、俺は見てみた。
俺の背中には綾香がしがみつくように震えていた。
「綾香…、何お前まで泣いてるんだ…?」
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