リセット～彼女が死んで彼女が現れる～

「お兄ちゃん、遅ぉ～いっ」
リビングに入った途端、ブーイングが飛んできた。
「ちぃ、お腹空いたんだからね～。
もっと早く来てよぉ～っ」
プンプンと腹を立てながら、小学生の妹がハムスターのケージから自分の席に座る。
「待たせて悪かったな、ちぃ。」
俺は妹の“ちぃ”こと知璃花（ちりか）は、自分の席でぷくっと頬を膨らませる。
「悪かったって、ちぃ。」
俺はちぃの頭を撫でて自分の席に座る。
綾香も俺の隣に座る。
俺と綾香が並んで座り、綾香の向かいに窓香さん、俺の向かいに英樹さん…綾香の父親が座り俺と英樹さんの横にちぃが座る。
これが決まった場所だった。