リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「タケルちゃ…?」
俺はゆっくりと綾香の顔を自分の方に引いた。
ゆっくりと綾香の顔が近づき、俺の唇と綾香の唇が重なる。
(…っ!?)
しばらくの時間が流れ、俺は我に返って自分の手と唇を離す。
「タケルちゃん?」
綾香はキョトンとした顔で俺を見ていた。
「………っ!!」
俺は自分がやったことを思い出して、体中が熱くなる。
グルッと半回転して、俺は綾香に背中を向ける。
「タケルちゃん?」
(俺は今、何をした…?
瀬戸に手を出すなって言っておいて最低だ…っ!)
俺は思わず綾香に背中を向けたまま走り出した。
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