リセット～彼女が死んで彼女が現れる～

（なんだ…？）
ドクン…。
（今の音…。）
ドクン…っ。
（嫌な予感がする…。）
ドクン…!!

高鳴る鼓動を抑え、俺は後ろを振り向いた。
そこには歩道で止まったトラックと、トラックの前に横たわる綾香の姿があった。
ドクン!!
「あ…っ!!」
俺は目の前が真っ白になった。
ただ目の前で起きていることが分からず、何も考えられなかった。
しばらくして状況を把握してきた時、同時に信じられない気持ちで声に出すことも出来なかった。
「あ…。」
ドクン…!ドクン…!ドクン!!
鼓動の大きさだけが耳についた。
「あ…っ!!」