リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
病院に着いてすぐに窓香さんと英樹さんが来た。
集中治療室から出てこない綾香を、俺達はどれだけ待っただろうか…。
「…俺のせいだ…。」
「タケル…?」
あまりの時間の長さに、俺は自分を責めるようになっていた。
「俺が…綾香を置いていかなければ、綾香は事故に遭う必要無かったんだ…。」
俺は堪えていた涙が、また溢れてきた。
「タケル…、あまり自分を責めるな…。
誰も分からなかったんだ…。」
窓香さんは俺の肩に手を置いた。
だけど、俺は窓香さんの言葉を素直に聞き入れることが出来なかった。
< 70 / 159 >

この作品をシェア

pagetop