リセット~彼女が死んで彼女が現れる~
「俺のせいだ…。」
俺は頭を抱える形で、頭を横に振った。
「俺の…せいだ…。」
「タケル…。」
窓香さんは何も言わずに肩を叩いてくれた。
それだけで俺は少し落ち着いてきた。
「今は自分を責めてる場合では無いだろう?」
それまで黙って集中治療室を見つけていた英樹さんが口を開いた。
「英樹さん…?」
「今、戦っているのは綾香だ…。」
英樹さんの一言で、不思議なくらい落ち着いていた。
「そうだね…。今戦ってるのは綾香だ。」
俺は立ち上がって綾香のいる集中治療室を見つめた。
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