小さい頃に習うこと、大きくなってわかること
告白
ファミレスを出る頃には深夜2時を回っていた。
この1時間ちょっとで、バースデープレートをプレゼントすることと、パーティーの料理も決まっていた。
大きなお皿にアイチの好きな焼き鳥を用意して、その他に手巻き寿司をみんなで作りながら食べるスタイル。
あとはバースデープレートのシルエットの部分に入れる写真を決めるだけだ。
それは各自、次の時までに良さそうな写真をピックアップして持ってくることになった。
ファミレスのドアを出て、みんなでぞろぞろと階段を降りる。
ほんの少し歩いたところにはアイチとあたしの通っていた高校があって、あたしはその角を曲がらずにまっすぐ進む。
みんなは商店街に向かうため、右に曲がらなければならなかった。
「じゃあ、また明日ね!」
角に差し掛かった時にそう言うと、駆が心配そうな視線をこっちに向けた。
「1人じゃ危ないよ。もう2時回ってるし」
駆の優しさをありがたく思いながらも、心配をかけないような声を意識して言う。
「大丈夫だよ。すぐそこだし」
毎回、アイチと通っている道だし、本当に大丈夫だと思っていた。