小さい頃に習うこと、大きくなってわかること
絶対に勝ちゃんと同じチームにしない。
その約束であたしはドロケーに参加することを決めた。
あたしを抜かしたナシラ3人のうち、2人に協力してもらえば、勝ちゃんと同じチームになることは絶対にない。
アイチが提案したドロケーは、隣の駅から少し歩いたところにあるスポーツセンターで開催されることになっていた。
昔と同じように全館を使ってのドロケーだ。
小学生の時から1番好きなゲームだったけれど、それはこの歳になってもやっぱり変わらない。
受付のところでチーム分けをするのに、丸く輪になったら、何だかわくわくしている自分がいた。
泥棒と警察の決め方は実にシンプルだ。
グーとパーのどちらかを出して、半分に分かれるまで繰り返す。
今日はアイチとチェリーがあたしと同じチームになる。
来る前に口裏を合わせて、グー、パーの順で出すことに決めていた。
「よっしゃ!行くぜ!グッパージャス!」
シーやんが言ったチーム分けのかけ声が懐かしい。
あたしはみんなで決めた通り、きちんと1番にグーを出した。
と、言うのに、アイチとチェリーが出したのはパー。