小さい頃に習うこと、大きくなってわかること
代わりにグーを出したのはシーやんと勝ちゃんだった。
「よっしゃ、決まり!」
話とは違う展開にアイチとチェリーを思いっきり見る。
彼女たちはあたしの視線には捕まらず、「最初、どっちが警察やる?」なんてみんなと話し合いをしていた。
「じゃあ、最初、うちらが泥棒やるわ」
シーやんがそう言うと、みんなが頷く。
「よし、100秒ね」
アイチがそう言って壁の方を向くと、他の警察も同じようにして、シーやんが勢いよく走り始めたと同時に、「1、2、3、4」なんてカウントがスタートする。
あたしは勝ちゃんと目を合わせることすらできないまま、走り出した。