小さい頃に習うこと、大きくなってわかること

深夜2時のチャイム



勝ちゃんには、また日を改めて気持ちを伝えようと思う。


ナシラのみんなにそう伝えた日、そのインターホンは午前2時なんて言うありえない時間に鳴った。



今日はナシラ4人で夕飯を食べてから、いつものようにみんなとエッグで騒いで、午前1時を回る頃にはアイチと一緒に帰ってきた。


それから約1時間。


丁度、お風呂を出て、髪を乾かし終わった時にそのインターホンは鳴った。


―ピーンポーン―


確かに部屋に響いたチャイム。


時計を見たあたしは、まず1番にユーレイの存在を疑った。


バカらしいとは思った。


バカらしいとは思ったけれど、ついこの前見た心霊番組のせいで、どうしてもそう思わずにはいられなかった。


午前2時なんてものすごく出やすい時間だと聞くし、訪ねてくる人の予想も付かない。


ユーレイじゃなければ、ピンポンダッシュかなとも思った。


けれど、ユーレイにしても、ピンポンダッシュにしても、受話器を取ったそこに待っているのはぞっとするような静けさだ。


無視してしまおう。


そう思った時、2回目のチャイムは鳴った。


ゆっくりとインターホンの受話器を見る。



一応、出てみようと思って、受話器を取った。


「はい」



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