小さい頃に習うこと、大きくなってわかること
19歳
午後11時。
あたしはいつも通り、アイチの運転する自転車でエッグへと向かっていた。
今日の昼、バイクを運転していたのと同一人物とは思えない背中を見つめる。
バイクに乗っている時とは何となく雰囲気が違うんだ。
多分、ずっとリラックスしているんだと思う。
自転車の運転となれば、やっぱり平気で信号無視もするし。
そんな彼女の後ろで、あたしはこれからエッグで行われる誕生日カウントダウンのことでそわそわしていた。
いよいよこの数週間、みんなで考えてきたことをプレゼントできる。
始めに行われるのは、誕生日当日の0時までのカウントダウン。
昨日、配られたクラッカーもしっかりカバンの中に入っている。
彼女は一体、どんな反応をするだろう。
それを考えて笑いそうになる自分を抑えながら、荷台でエッグに着くのを待った。