小さい頃に習うこと、大きくなってわかること


夜を1人きりで越したくはなかった。


その思いはシーやんとチェリーも同じだったみたいで、あたしたちは3人、うちのベッドに川の字に並んだ。



眠気なんて全然なかったけれど、千津ちゃんたち大人に、少しでもいいから寝るように言われて、仕方なくベッドに入ってみた。



いつものお泊まり会みたいに、次々に話題が出てくることはなかった。


それどころか、3人揃って何も話さない。


静まり返った部屋には、たまに誰かが動くと、ベッドのきしむ音が大きく響いた。



勝ちゃんたちは、パーティーが終わった後、アイチが帰って来たことを知って、彼女の部屋に向かった。


あたしは1人、自分の家に帰ろうとしたけれど、チェリーとシーやんが一緒に来ると言ったから、3人でここに帰って来ることになった。



みんなが黙ってから、もう相当な時間が経っていたけれど、寝息が少しも聞こえてこない辺り、2人ともまだ眠れていないんだと思う。


「ねぇ…」


試しにそう呟いてみる。


と、2人は同じタイミングでこっちを見た。


予想通り。


あたしは天井を見つめたまま、聞いた。


「アイチ、ホントに死んじゃってた?」



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