小さい頃に習うこと、大きくなってわかること
「このままここで死んで、責任を取るつもりだったのにな」
冗談じゃないと思った。
思ったけれど、言葉にならない。
気付くとあたしは床に倒れ込んでいた。
手首からだらだらと赤い血が流れている。
どうして人は事を起こしてからじゃないと反省できないの。
もっと想像してよ。
相手のこと考えてよ。
いつだってそうだ。
人のことを考えられる人間は、人のことを考えられない人間の犠牲になる。
何でこの世はそう言う世界なの。
何でそう言う世界なの。
何であたしじゃなくてアイチなの。
何でこんなことになっちゃったの。
アイチは一生懸命生きてたのに。
残酷な過去も全部抱えて前向きに明るく、いつも笑って生きてきたのに。
神様はこれ以上、彼女にどんな努力を求めたの。
あとどのくらい頑張ったら彼女を幸せにしてくれたの。
流れ出る血を見ながら、神様に切に願った。
あたしを殺してください。