小さい頃に習うこと、大きくなってわかること
まだ中学生だった頃、あたしたちは自分たちのグループ名をなかなか決められずにいた。
そんな時、アイチが提案したのが「ナシラ」だった。
「ナシラ」と言うのは星の名前で、あたしたちは「大会で優勝してスターになる」と言う願いを込めて、その名前に賛成した。
けれどその時、アイチだけはやたらと「ナシラセブン」と言う名にこだわっていた。
「セブン」が何を意味するのかについては絶対に教えてくれないくせに、彼女は1人最後まで「ナシラセブン」にこだわり続けていた。
その記憶はもちろんあたしにもあって、これからシーやんが何を言い出そうとしているのかも何となくわかった。
チェリーとあたしが「覚えている」と答えると、シーやんは言った。
「ナシラってさ、星の名前じゃん?この前、調べてみたら、『星言葉』って言うのがあるのを知ったんだ」
あたしもシーやんと全く同じことをやっていた。
アイチがどうして「ナシラ」と言う名を提案したのか、どうして「ナシラセブン」にこだわっていたのか、知りたかったから。
チェリーは言った。