小さい頃に習うこと、大きくなってわかること
「あたしも調べたよ。きっとナシラセブンに最後までこだわってたのは、ナシラの7文字の星言葉を意識してたんだね」
1つの星に数種類の星言葉があるから、きっと他の星言葉と区別を付けたかったんだと思う。
あたしたちはただ黙ってお墓を見つめていた。
ナシラの7文字の星言葉は誰1人として口に出さなかった。
「よし!今日からナシラセブンにするか!」
お墓を見ながらそう言ったシーやんを、チェリーは見た。
「ホントに!?」
「カッコいいじゃん、ナシラセブン。なぁ、愛生?」
返事をする人がいない分、その場には静かな空気が広がった。
「またな、愛生。次は春にでも来るよ」
そう言ってシーやんがお墓の前から歩き出すと、チェリーも「また来るね」なんて言ってその後に続く。
あたしはそれに続かず、お墓を見つめたままでいた。
2人はきっとそれに気付いていたと思うけれど、そっとしておいてくれた。
やがて2人の足音が聞こえなくなると、その場はおだやかな静けさに包まれた。
あたしは1人、アイチのお墓と向かい合う。