小さい頃に習うこと、大きくなってわかること

エッグ



私服に着替えてエッグに着くと、そこにはまだ駆しかいなかった。


今日はこれからエッグで飲み会をする予定になっている。


「みんな、まだ?」


タバコを吸っている駆に聞いてみると、彼は頷いた。


「さっきまで勝ちゃんがいたけど、タバコ買いに行ってる」


「そっか」


そう言って、駆の隣の隣、自分の指定席に座る。



勝ちゃんがいないエッグは何だか違和感があった。


アイスティーを頼む人がいないから、自分で作ってみようかなと思った時だった。


「そのネックレスさ…」


そう言われて隣を見ると、駆はタバコの灰を灰皿に落としているところだった。


今日もあたしの首にはクローバーのチャームのネックレスが掛かっていて、駆がこのことを差したことはすぐわかる。


次の言葉を待っていると、駆はタバコを吸って、煙を吐き出しながら言った。


「愛生、いつも付けてたよ」


「え?」


思わず聞き返してしまう。


あたしはあれだけアイチと一緒にいたけれど、彼女がそれをしているのなんか、小学生の時にしか見たことがない。


駆は続けた。



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