小さい頃に習うこと、大きくなってわかること


中学生の時、あたしたち女子4人はナシラと言うイベントサークルを立ち上げた。


元々はジュニアバンドの大会に出場するためのバンド名だったけれど、プロ顔負けのすごい中学生たちが集まるその大会で、ナシラはもちろん予選落ち、それでも一生懸命やってきた分だけ、どうしても解散することができなくて、それならこれからはイベントサークルとして、そんなの笑い飛ばせるぐらい楽しいことをしていこうとナシラとしての活動を続けてきた。


春にはお花見、夏には花火大会、秋には食べ放題、冬にはスキー。


その他にも今回みたいにフリーマーケットに参加したり、町内の行事を手伝ったり、楽しそうなイベントを見つけては、積極的に参加している。


そんなナシラはいつしかあたしたちにとって、世界一のなくてはならないサークルになっている。


「じゃあ、何か楽しそうなイベント考えるか」


アイチがそう言うと、シーやんが大きく手を挙げて、早速、イベントを提案する。


「何か歴史に残ることしたいから、武道館ライブ!」


武道館って…。



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