10yearの赤い糸
「よく、あの丘に行くの?」

「。。。。。」

ルキの顔から

さっきまでの

チャライ笑顔が

消えた。



「。。。ホントはさぁ、入学式で一目惚れしたっつったけど、あれ嘘。」


は?!


「昔、この街に住んでたの俺。でも親が離婚してさ、おれは母親に引き取られて、この街を出た。」


そう話すルキの横顔は

鼻筋が通ってて

綺麗。


「でも、その2年後だっけな?親が話し合って、寄り戻したんだ。んでまた、この街に戻って来た。ホント、わけわかんねぇ親だけど、今は、そんなことありましたか?って顔してる。振り回された子供は、たまんねぇっつーのな。」


そう言って

ルキは

微笑んだ。


「まぁ~それ小学校ん時の思い出話なんだけど。その戻って来た時かな。あの丘見つけたのは。急にさぁ、この街って上から見たらどんななんだろ?って思って、歩いてたら、同じ年くらいの女の子が、あの丘に向かうの見かけて、どこ行くんだろ?ってついてったの。そしたら、桜の木のがある丘で、街を見下ろせる場所だった。あの後ひとなりで何度か行ったんだ。10回に7回は、その女の子がいた。」


その女の子は

あたし?



「中学になって、久々行ったら、やっぱりその子がいたり、いなかったり?何度か話しかけようとしたんだけど、なんか無理でさ。。。ある時、その子が泣いてたんだ。抱き締めたいと思った。そん時気づいたんだ。俺、この子に惚れてるって。」


あたし

あの丘で

何度も

泣いてた。

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