花の咲く教室
「あのー…張り切ってくれるのもうれしいし、助けてくれたのもうれしいけど…。
20倍はちょっとやり過ぎでは。」
「じゃぁ、15倍♪」
「あのー…それも多すぎ…。」
「じゃぁ、何ならいいのッ!」
「……2倍?」
絶対この子、ダメっていってもするんでしょ。なら、2倍でお願いします。
さすがに20倍はちょっと、ね。
『分かった!じゃぁね☆何かあったらメルして!』
祐志君はそれだけ言って去って行った。
あたしは呆然と去っていく祐志君を、
――――――――見てた。
そう“見てた”だけ――――。