花の咲く教室



「じゃぁ、数学の授業を始めるぞぉ~~~」



「きりーつ、きょーつけ、礼!!」



…はぁ。ついに一時間目が始まりました。
本当に祐志君は隣にいます…。



授業とか分かるのかな?高等部なのに…。



「―――――と…。」



カキカキと黒板とチョークの奏でる音の中私たちの手は動く。



「X=……で因数分解をし…」



先生の解説が聞こえるが手は止まらず、生徒は全く手を緩めない。



「ふぅ~~~…あきちゃったなぁ。」



ぬぁ…!!
暇人(板書をしていない)祐志君が暇そうにしていますッ!!



あたしはこんなに忙しいのに……。



私の学校はとても普通とは言えません。
なぜか、普通の学校は中学で習うような因数分解を高校でやるんです。



外部からは受け付けないこの学校ですので授業はいいんだけど…。



あ、外部を受け付けないというのは高校から大学まで編入生を入れないって言う意味です。



モチロン、理由がある生徒はしょうがないですけど。



だから“外部組”と呼ばれるのは中等部で最後。
ちなみにあたしは中等部からの“ラスト外部組”です。



「……はぁ……因数分解とか、つまんないんだよね~~~。」



「確かに…つまんないかもっ。」



テキトーに祐志君に同意しておく。



…イヤ、気が付けばよかったんだけど。
教室はペンの走る音しかしないから…。



「―――――――しゃべってんの誰だっ!……須田かぁ!!」



「はっ、はぃぃ!!!」



ヤバイよぉ~~~ばれたよッ。どうしたら許してもらえるかなッ……?



宿題追加とかぁ~~~~!?



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